楽しみ方
香木の保存 — 密閉して、暗いところに置く
香木は密閉容器に入れ、直射日光と蛍光灯の当たらない涼しい場所に置くのが基本です。目安は湿度40〜60%、温度15〜25℃。高温多湿ではカビと虫害のリスクが上がり、乾燥しすぎると割れが出ます。
効くこと
香木の敵は、湿気・光・空気の三つです。順に。
湿気。 高温多湿の場所に置くとカビが生えます。虫もつきます。日本の夏は条件がそろいやすいので、風呂場の近く、キッチンの棚、締め切った物置あたりは避けてください。
光。 直射日光はもちろん、蛍光灯でも樹脂の油分は酸化します。飾っておきたい気持ちは分かりますが、香木にとってはよくありません。引き出しの中がいちばんです。
空気。 触れ続けていると揮発成分が減っていきます。香りは少しずつ抜けます。密閉容器に入れる理由はこれです。
数字で言うと、湿度40〜60%、温度15〜25℃が目安とされています。要するに、人が快適に過ごせる部屋なら香木も大丈夫、ということです。
あまり効かないこと
冷蔵庫。 勧めません。出し入れのたびに結露して、かえって湿気らせます。温度そのものより、上下を繰り返すことのほうが問題です。
高い容器を買う。 桐箱は湿度を緩衝してくれますが、密閉容器ではありません。効果を出したいなら、チャック付きの袋に入れてから箱に納めてください。袋二重で十分に機能します。
乾燥剤を入れすぎる。 乾きすぎると今度は割れます。特に塊材で起きます。乾燥剤は入れるなら一つで十分です。
当店の材について
当店の香木は、倉庫でおよそ一年寝かせてから出荷しています。含んでいた水分が抜けきり、重量が動かなくなってから量るためです。
ですから届いた時点で追加の乾燥は必要ありません。湿気らせなければ、重量が減ることもありません。買ったあとに目減りしないようにするための一年です。
加工工程の記事に、この一年で何をしているかを書きました。
それでも、置いておくより使ったほうがいい
保存の記事でこう書くのも変ですが、これが正直なところです。
香木は、焚かなければ何も起きません。密閉していても、出し入れのたびに空気に触れ、香りは少しずつ抜けていきます。五年後に開けたときの香りが、今日焚いたときと同じである保証はありません。
「良いものだから、いつか特別なときに」と取っておいて、結局そのまま何年も、というのはよくある話です。もったいないのは値段のほうではなくて、その材がいちばん良かった時期を逃すことだと思います。
当店が100gや500gの量目を主力にして、グラム単価を抑えているのはそういう考えからです。少量を大事に取っておくより、日常的に焚いて、減ったらまた買う。そのほうが香木は生きます。
よくあるご質問
冷蔵庫に入れてもいいですか?
勧めません。出し入れのたびに結露します。温度そのものより、上下することのほうが香木にはよくありません。室内の引き出しや戸棚で十分です。
どんな容器がいいですか?
密閉できれば材質は問いません。チャック付きの袋を二重にするだけでも効果があります。桐箱は湿度を緩衝しますが、それ自体は密閉容器ではないので、袋に入れてから箱に納めるのが確実です。
何年くらい持ちますか?
腐るものではないので、適切に保管すれば長く持ちます。ただし出し入れのたびに空気に触れ、香りは少しずつ抜けていきます。買ったまま何年も置いておくより、焚きながら減らしていくほうが結局いい状態で使えます。
当店の香木は乾燥させる必要がありますか?
ありません。倉庫でおよそ一年寝かせ、重量が動かなくなってから計量しています。届いた時点で水分は抜けています。あとは湿気らせないようにしていただければ大丈夫です。